ブーランジェ鉱 boulangerite Pb5Sb4S11 単斜晶系  [戻る]

反射色は輝安鉱に似た灰色系。反射多色性は明瞭で,帯青灰〜クリーム灰に変わる。反射多色性・異方性ともに輝安鉱よりやや弱い。針〜柱状のほか,不規則なモザイク状集合体をなす。完全な劈開で割れた部分が剥落し,そこが小さな細長い凹みとなり,それが互いに平行に並んで見えることがある。やや錆びにくい。Pb-Sb-S系鉱物は種類が多く,ブーランジェ鉱と区別しにくいものが多い。また,Pb-As-S系鉱物やCu-Ag-Pb-Bi-S系鉱物などにもブーランジェ鉱と光学的に区別困難なものが多い。組成変化はあまりない。
低温〜中温でできた熱水鉱床に産し,伴われる硫化鉱物は他のPb-Sb-S系鉱物,黄鉄鉱,磁硫鉄鉱,閃亜鉛鉱など。

反射色/帯青灰〜クリーム灰色
反射多色性/明瞭(帯青灰〜クリーム灰)
異方性/明瞭〜強い
反射率(λ=590nm)/37〜40%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/100〜180
内部反射/なし



ブーランジェ鉱(Bge)の反射多色性(明瞭) 岡山県柵原鉱山平行ニコル
キースラガーを切る小規模な熱水鉱脈中。反射多色性は明瞭で帯青〜クリーム灰。中央付近では線状のへき開線がある柱状集合体が見られる。
Bge:ブーランジェ鉱,Py:黄鉄鉱


左のブーランジェ鉱の異方性(明瞭〜強い)/クロスニコル
柱状集合体やモザイク状集合体をなしているのがわかる。