倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第254回自然観察会「おかやま自然探訪11」
 2006年10月22日報告

 10時30分より,真庭市蒜山下和の山乗渓谷不動滝駐車場にて受付。11時開会。
 コ−ス説明のあと,各学芸員による今日の見どころについての話があり,その後,観察に入る。



<地学>
観察コース周辺では安山岩が多く,不動滝付近の川べりの露頭では,安山岩の節理が見られた。安山岩は緻密で 硬い岩石なので,未舗装道に敷くバラスとして,流紋岩やホルンフェルスなどとともに用いられているそうだ。また,花崗岩も観察コ−スの最後あたりの山側に露出しているのが見られた。


<植物>
今日は,すずしい側の植物を主にみていこうということで観察が始まった。シシウドは本日の一品で,大きなも のでは草丈が2mにも達するそうだ。花も実もついていた。おもに県北に分布しているが,県の西側でもみられるそうだ。その他の植物については下記のようなものが観察できた。

【花の残っているもの】
・すずしい側の植物:ホクチアザミ,ナガミノツルキケマン,オタカラコウ,ゴマナ,オニルリソウ,ジンジソウ
・両方にまたがる植物:ヨメナ,ビッチュウアザミ,センブリ

【実が出来ているもの】

・すずしい側の植物:サラシナショウマ,ヒカゲミツバ,テンニンソウ
・両方にまたがる植物:ツルシキミ,ミヤマハハソ,ウツギ,マタタビ,クロバナヒキオコシ

《不動滝の滝つぼ周辺に集まっていた落ち葉》
アカシデ,コナラ,トチノキ,ケヤキ,エゴノキ,ミズメ,イヌブナ,ソヨゴ,カツラ

《ブナとイヌブナ》
ブナとイヌブナが道をはさんで立っていた。山側にブナ,川沿いの谷側がイヌブナだった。

《シダ》
オシャグジデンダ,イヌガンソクが観察できた。


<昆虫>
今日は13℃と低く,虫が活発に動き回る気温ではなかった。
マダラクワガタ(日本最小のクワガタムシ)の幼虫,トビナナフシ,ヤマトフキバッタが見られた。
カンタン(鳴く虫の女王と言われている。もちろん,鳴いているのは♂),エンマコオロギが鳴いていた。


<動物>
コガラが見られた。カケス,イカルが鳴いていた。ヤマドリの♀の尾羽が落ちていた。
蛇の脱皮がらが4〜5個落ちていた。
フクロウ等の肉食の鳥のペリットが落ちていた。多分ネズミだろう。サルの糞も落ちていた。


(写真/文:田邉 義明)




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