倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第245回自然観察会「おかやま自然探訪10」
 2006年5月28日報告

◆日  時:2006年5月28日
◆場  所:苫田郡鏡野町上斉原 恩原高原(恩原ダム南岸の「野鳥の森」)
◆参加者:36名


集合場所は野鳥の森駐車場集まったのは36名でした。今回担当は博物館学芸員の江田さんと,新しく副会長になられた山崎さん。
いま植物の狩山さんが説明中です。


昆虫担当の奥島さんと,オサムシ類2種。アキタクロナガオサムシと・・・? 「絶滅危惧種のウスイロヒョウモンモドキは今いないが,見つけても採ってはいけません」


地学担当の武智さん。
「このあたりの土壌はクロボコと言いまして・・・。」「10万年前の大山噴火による軽石層にはイモゴライト という珍しい鉱物が含まれていまして・・・。」「基盤には5000万年前のマグマが・・・。」
いつもながら,この世離れした年代の話が淡々と語られます。


スミレが多かった。 フモトスミレもひっそり。
   
サクラスミレかな? 私のほかに見た人がいなかった?


一番の見どころは新緑だったでしょうか。その緑の奥からキビタキの澄んだ声・カッコウののどかな声が聞こえます。動物担当の江田さんによると,オオルリ・クロツグミも聞こえたそうです。写真の小流中に「あ,サンショウウオだ」と昆虫網で掬い上げた子どもがいました。その腹を返してみると真っ赤と黒いまだらのイモリでした。


リュウキンカ
植物担当の狩山さん。
「このあたりの標高ですと,ブナ林のはずですが,ブナは小さな木が所々にあっただけでした。どんぐりを実ら せるミズナラやクリ・コナラを主体にした2次林です。カシワもたくさんありました。比較的近い過去に伐られたようです。」(主旨)


1.5mほどのこのブナの子供が育って,その子供や孫が育って,ブナ林になるには何百年かかるので しょうか。


県南の山はもう黒々とした深緑の時期に,標高750mの恩原高原はまだ木の葉が伸びきっていないほどで,歩いても汗をかかない爽やかな1日でした。


(写真と文:池畑 怜伸)




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