倉敷市立自然史博物館友の会の行事



第243回自然観察会「おかやま自然探訪9」
 2006年5月7日(日)報告


2006年年5月7日(日)午前10時30分から和気町城山(標高173m)周辺で行われた,自然観察会のスナップです。
山に登るときになって雨になりました。
幸い下山のころには雨も止んで,絶好の観察日和になりました。


雨の天気予報であったが少し青空も見えたりして絶好のスタートとなった。和気町の藤祭りが少し離れたところで行われていたがその喧噪(けんそう)はここまでは聞こえて来ない。
金剛川の左岸をしばらく下る。お目当ての昆虫を採集できたのか親子の満足げな笑顔が素晴らしい。
どんな魚が居るのか虫とり用の網を,魚網みに取り替えて頑張っている。見ている間には何も捕獲できなかった。


正面右に見える山が和気富士である。今日の目的はこの山を越えて「和」文字で有名な観音山まで行くことである。しかし、この橋を渡る頃から雨がぽつりぽつりと降り出した。地学担当学芸員の説明によると、山全体が流紋岩で出来ている。8000万年〜9000万年昔の溶岩が直接冷えたものだそうだ。比較的硬い岩石なのでこうして浸食を免れて残るそうだ。ここから東,兵庫県赤穂市辺りと同じ山の姿である。
熱心に勉強しながら登ったので,和気富士の頂上にたどり着いたのは13時が近くなっていた。雨は相 変わらずしとしとと降っている。頂上でお昼ご飯になった。思い思いの工夫でご飯を食べる場所を確保する。枯れ枝も結構役に立っている。枯れ枝と雨傘の組み合わせは日常では考えられない面白さである。


観音山に行くのを中止して下山することになった。皮肉にもこのころになって雨が止んだ。さて,この岩陰で何を発見したのだろうか。植物担当の学芸員が熱弁を振るっている。メモを取る者,撮影をする者,きっと素晴らしいものがあそこにはありそうだ。
岡山の三大河川の1つ吉井川は,眼下に見える和気町で兵庫県境から流れてくる金剛川と合流する。写真奥が西大寺方面である。吉井川は大きく蛇行して悠々(ゆうゆう)と流れていく。


和気の街中の水路にも魚が沢山いた。雨も止み学芸員の説明にも熱が入る。
まとめは和気駅近くの川原で行われた。観音山まで行くことが出来なかったが,川原の石ころの中から流紋岩を探し出して,地学担当の学芸員が熱心に説明する。何しろ気の遠くなるような昔の話である。でも,面白い。楽しい観察会も無事に終わった。


(写真/文:稲若 邦典)




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