岡山県のマメ科ソラマメ属

 つる状または直立する1年草−多年草。葉は偶数羽状複葉,葉軸の先端はし ばしば巻きひげとなる。小葉はふつう多いが,まれに1−3対のことがある。花は1−数花が葉腋に束生するか,腋生の総状花序につく。がく裂片は5個。果実 (豆果)は扁平,熟して裂開する。
 倉敷市立自然史博物館には,岡山県に自生あるいは帰化・逸出するマメ科ソラマメ属植物として9種2変種の標本があ る。このうち自生種は8種,帰化種は2種1変種である。岡山県にはほかにクサフジとエビラフジの記録があるが(大久保,1999),確かな標本が県内に残 されていない。
 
A.花は葉腋に1−3個が束生.托葉の中央に腺点がある
 B.がく裂片は筒部より長いか同長.花は長さ18−30mm.茎は毛が多い …(1a) オオヤハズエンドウ
 B.がく裂片は筒部より短い.花は長さ12−18mm.茎は毛が少ない ……………(1b) ヤハズエンドウ
A.花は葉腋にでる総状花序につく.托葉には腺点がない
 B.総状花序につく花は小型で長さ3−7mm
  C.花序は1−3個の淡紅紫色花をつける …………………………………(2) カスマグサ
  C.花序は3−7個の白紫色花をつける …………………………(3) スズメノエンドウ
 B.総状花序につく花は大形で長さ8−20mm
  C.茎はつる状にはうか伸び,葉軸の先端の巻きひげはよく発達する
   D.小葉は4−10枚で卵形,幅15−30mm …………………………(4) オオバクサフジ
   D.小葉は10−24枚で長だ円形−広線形,幅12mm以下
    E.小葉は乾くと暗赤褐色.旗弁の反り返った部分は
      筒状の部分とほぼ同じ長さ ……………………(5) ツルフジバカマ
    E.小葉は乾くと緑色または黄緑色.旗弁の反り返った部分は筒状の部分より著しく短い
     F.茎は軟毛を密生する ………………(6a) ビロードクサフジ
     F.茎は無毛か伏した軟毛がまばらにつく ……………………(6b) ナヨクサフジ
  C.茎は直立または斜上し,葉軸の先端の巻きひげはほとんど発達しない
   D.小葉は2枚
    E.小葉は卵形,幅1.5−4cm ………………………(7) ナンテンハギ
   D.小葉は4−10枚
    E.小葉はだ円形−広だ円形で中央が幅広い ……………………………(8) ヨツバハギ
    E.小葉は卵形で下部が幅広い ………………………(9) ヒメヨツバハギ

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