奥の細道の植物
 
奥の細道に登場する植物を一覧表にしました。
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出展箇所(例歌・例文・例巻など) 植物名 標準和名 科名 備考
くろべ四十八が瀬とかや、数しらぬ川をわたりて、那古と云浦に出。・・・蘆の一夜の宿かすものあるまじ」といひをどされて、かゞの国に入。 ヨシ イネ科
心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ。・・・秋風を耳に残し、紅葉も俤にして、青葉の梢猶あはれ也。卯の花の白妙に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる心地ぞする。 茨の花 ノイバラ バラ科
心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ。・・・秋風を耳に残し、紅葉も俤にして、青葉の梢猶あはれ也。卯の花の白妙に、茨の花の咲そひて、雪にもこゆる心地ぞする。 卯の花 ウツギ ユキノシタ科
ウメ バラ科
南部道遙にみやりて、岩手の里に泊まる。・・・さらばと云て人を頼侍れば、究竟の若者反脇指をよこたえ、樫の杖を携て、我々が先に立て行。 カシ類の総称 ブナ科
カエデ類 カエデ科
カキノキ カキノキ科
等窮が宅を出て五里計、檜皮の宿を離れてあさか山有。路より近し。此のあたり沼多し。かつみ刈比もやゝ近うなれば、「いづれの草を花かつみとは云ぞ」と、人々に尋侍れども、更知人なし。 勝見 マコモ イネ科
山中や菊はたおらぬ湯の匂 キク キク科
福井は三里計なれば、夕飯したゝめて出るに、たそがれの路たどヽし。爰に等栽と云古き隠士有。・・・市中ひそかに引入て、あやしの小家に夕皃・へちまのはえかゝりて、鶏頭・はゝ木々に戸ぼそをかくす。 鶏頭 ケイトウ ヒユ科
当国雲岸寺のおくに仏頂和尚山居跡あり。・・・山はおくあるけしきにて、谷道遙に松杉黒く苔したゞりて、卯月の天今猶寒し。 蘚苔類・地衣類の総称  
マコモ イネ科
早苗とる手もとや昔しのぶ摺 早苗 イネ イネ科
八日、月山にのぼる。・・・ふり積雪の下に埋て、春を忘れぬ遅ざくらの花の心わりなし。 ミネザクラ バラ科
八日、月山にのぼる。・・・笹を鋪、篠を枕として、臥て明るを待。 ネザサの類(アズマネザサ イネ科 小笹(オザサ)
八日、月山にのぼる。・・・笹を鋪、篠を枕として、臥て明るを待。 ササ類の総称 イネ科
スギ スギ科
薇(ぜんまい) ゼンマイ ゼンマイ科
タケ類 イネ科
すか川の駅に等窮といふものを尋て、四五日とゞめらる。・・・橡ひろふ太山もかくやと閧ノ覚えられて、ものに書付侍る。 クヌギ ブナ科
象潟や雨に西施がねぶの花 合歓(ねぶ) ネムノキ マメ科
一家に遊女もねたり萩と月 ハギ類 マメ科
等窮が宅を出て五里計、檜皮の宿を離れてあさか山有。路より近し。此のあたり沼多し。かつみ刈比もやゝ近うなれば、「いづれの草を花かつみとは云ぞ」と、人々に尋侍れども、更知人なし。 花勝見 マコモ イネ科
芭蕉 バショウ バショウ科
福井は三里計なれば、夕飯したゝめて出るに、たそがれの路たどヽし。爰に等栽と云古き隠士有。・・・市中ひそかに引入て、あやしの小家に夕皃・へちまのはえかゝりて、鶏頭・はゝ木々に戸ぼそをかくす。 糸瓜(へちま) ヘチマ ウリ科
まゆはきを俤にして紅粉の花 紅の花 ベニバナ キク科
桜より松は二木を三月越シ マツ類 マツ科
マメ マメ科
ムギ類 マメ科
心許なき日かず重るまゝに、白川の関にかゝりて旅心定りぬ。・・・秋風を耳に残し、紅葉も俤にして、青葉の梢猶あはれ也。 紅葉 紅葉植物の総称  
那須の黒ばねと云所に知人あれば、是より野趣にかゝりて直道をゆかんとす。・・・独は小姫にて名をかさねと云。聞なれぬ名のやさしければ、かさねとは八重撫子の名成べし 曽良 八重撫子 ナデシコ一名カワラナデシコ ナデシコ科
柚の花 ユズ ミカン科
田一枚植て立去る柳かな シダレヤナギ ヤナギ科
ワラビ コバノイシカグマ科
福井は三里計なれば、夕飯したゝめて出るに、たそがれの路たどヽし。爰に等栽と云古き隠士有。・・・市中ひそかに引入て、あやしの小家に夕皃・へちまのはえかゝりて、鶏頭・はゝ木々に戸ぼそをかくす。 夕がほ ユウガオ ウリ科
福井は三里計なれば、夕飯したゝめて出るに、たそがれの路たどヽし。爰に等栽と云古き隠士有。・・・市中ひそかに引入て、あやしの小家に夕皃・へちまのはえかゝりて、鶏頭・はゝ木々に戸ぼそをかくす。 ははきぎ ホウキグサ  
秋涼し手毎にむけや瓜茄子 マクワウリ ウリ科
かの画図にまかせてたどり行ば、おくの細道の山際に十符の菅有。今も年々十符の菅菰を調て国守に献ずと云り。 スゲ属の総称 カヤツリグサ科
秋涼し手毎にむけや瓜茄子 茄子 ナス ナス科
鐙摺・白石の城を過ぎ、笠島の郡に入れば、藤中将実方の塚はいづくのほどならんと人にとへば、「是より遙右に見ゆる山際の里をみのわ・笠島と云、道祖神の社、かた見の薄今にあり」と教ゆ。 ススキ イネ科
あやめ草足に結ん草鞋の緒 菖蒲 ショウブ サトイモ科
名取川を渡て仙台に入。あやめふく日也。・・・宮城野の萩茂りあひて、秋の気色思ひやらるゝ。玉田・よこ野・つゝじが岡はあせび咲ころ也。 馬酔木 アセビ ツツジ科
世の人の見付ぬ花や軒の栗 クリ ブナ科
くろべ四十八が瀬とかや、数しらぬ川をわたりて、那古と云浦に出。担籠の藤浪は春ならずとも、初秋の哀といふべきものをと、・・・ フジ マメ科
あらたうと青葉若葉の日の光 若葉    


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