高梁川流域の自然シリーズ1

植物や虫たちの冬越し

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植物や虫たちにとって,冬は厳しい季節です。


しかし,それぞれに工夫をこらして,冬を越しています。


落葉樹は,春に備え,寒さと乾燥に耐えられる冬芽を用意しているのです。
0:42 コバノミツバツツジ
コバノミツバツツジの冬芽は,鱗片と呼ばれるうろこ状の葉に包まれています。
0:51 イロハモミジ
ふたつの冬芽が向かい合ってつく,イロハモミジ。
1:04 ヌルデ
毛におおわれた冬芽をつける,ヌルデ。ヒツジの顔に似ていますね。


ちょっと探してみます。
林の中では,虫たちが冬眠しているはずです。


アカマツの木が朽ちて横たわっています。
皮をめくってのぞいてみましょう。
1:36 マイマイカブリ
この虫はマイマイカブリです。 眠っているところを起こされ,びっくりしていますね。
1:46 コガタスズメバチ
こちらはコガタスズメバチの女王です。朽ち木の中にくぼみをつくって眠っています。
2:00 オオクチキゾウムシ
このキノコの下にも何かいそうです。あっ,いますね。オオクチキムシです。
2:15 ウラギンシジミ
林のふちで,落ち葉の間に真っ白なものが見えます。
何とウラギンシジミではありませんか。足はしっかりしていますが,寒さのため動くことができず,じっとしたままです。
2:34 クスサンの卵・クスサンの成虫
クリの木のはだに,クスサンの卵があります。幼虫は成長すると,あみ目模様のある繭(まゆ)を作って蛹(さなぎ)になり,成虫は秋に現れます。
2:56 オオカマキリの卵
オオカマキリの卵塊(らんかい)は,吹きさらしですが,空気を含んだ厚い膜におおわれて,冷たい水にぬれるのを防いでいます。


常緑樹が多い鶴形山。
常緑樹は,葉をつけたま寒さや乾燥に耐えていける植物で,春に備えて冬芽も用意します。
3:20 クスノキ
たくさんの鱗片におおわれた冬芽をもつクスノキ。
3:33 アラカシ
一か所に多くの冬芽ができるアラカシ。
3:44 サカキ
長くとがった冬芽をもつサカキ。
3:53 ヤブツバキ
ヤブツバキ。冬でも寒さと乾燥に負けず,花を咲かせる植物もあるんですね。
4:06 セトウチマイマイ
セトウチマイマイは,落ち葉に埋もれて冬を越します。よく見ると,貝殻の入り口に薄い膜を張って,体が乾かないようにしています。
4:36 ゴマダラチョウの幼虫・ゴマダラチョウの成虫
エノキの根元の落ち葉には,よくゴマダラチョウの幼虫が隠れています。幼虫の状態で冬を越す虫は,以外に多く見られます。体が柔らかい幼虫は,冬越しには具合が悪そうですが,実は抵抗力を身につけているのです。
4:59 オオミノガ
オオミノガは街中でよく見かけます。
5:06 イラガ
イラガの繭(まゆ)です。秋のうちに固い繭を作り,蛹(さなぎ) になる一歩手前の状態で冬を越します。


田畑のまわりはどのような冬越しの姿が見られるのでしょうか。
5:29 カンサイタンポポ・ナズナ
地面に葉を広げ,日光を効率よく取り込んでいるカンサイタンポポやナズナ。このような葉をロゼット葉といいます。
5:43 ヒガンバナ
冬でも元気で生活している植物がいます。ヒガンバナは冬,葉をつけ,ほかの植物が成長してくると,地上部は枯れて,花の時期まで眠りにつきます。
6:07 モンシロチョウ
キャベツ畑の近くの塀などでは,モンシロチョウの蛹(さなぎ)を見ることができます。
6:19 アゲハチョウ
カラタチの垣根には,アゲハチョウが蛹(さなぎ)で冬を越しています。


高梁川の河原にみられる植物や虫の冬越しはどうでしょうか。
6:36 ススキ
ススキの茎や葉は枯れていますが,地下茎は生きていて,地下に冬芽をつけています。
6:49 オオオナモミ
オオオナモミは種で冬を越し,トゲを利用してヒトやケモノについて遠くへ運ばれていきます。


高梁川の中流の河原です。
7:07 ゴミムシダマシ・ヒメサビキコリ
乾いた砂地の石の下には,ゴミムシダマシやコメツキムシなどがいます。
7:11 オオハサミムシ
オオハサミムシは湿り気の多い砂地の石の下に,くぼみを作って隠れています。
7:42 コホソクビゴミムシ・スジアオゴミムシ
小高い岸辺には,河原のゴミムシ類が集まり,石の下に隠れて冬を越しています。


日当たりのよい土手では,オオイヌノフグリが花をつけ,ナナホシテントウは何匹も集まっています。


ほら,春の足音は少しずつ近づいてきていますよ。
8:20
終了



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