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漂砂鉱床    〔戻る〕

比重の高い鉱物が流水の作用で堆積物中に集まった鉱床。
金・白金・錫石・モナザイト・フェルグソナイト・ジルコン・宝石(サファイア,ダイヤモンド)などは比重が高く,これらの鉱物の砂礫は河川底や海底などの土砂層の比較的深いところにたまり,特に河川底の岩盤のくぼみに多い。採掘は土砂を掘り,それを水ひする方法で行われる。
特にペグマタイトが侵食されるとその中に含まれていた比重の高い,スズ石(黒色で少量のニオブ・タンタルを含む),希土類・ニオブ・タンタル鉱物(フェルグソン石・サマルスキー石・コルンブ石),ゼノタイム,モナザイトなどは黒い砂礫(重砂,アマン)として濃集し,東南アジア・マダガスカル・アフリカなどでは,スズ・希土類・ニオブ・タンタルなどの資源となっている。
しかし,多くの漂砂鉱床は小規模で,採掘されやすく,現在では宝石や標本用鉱物などが小規模に採掘されている程度の場合が多い。




漂砂鉱床から得られたアマン(錫石に富むもの) 漂砂鉱床から得られたオスミウム,白金,砂金(黄色) 漂砂鉱床から得られたサファイア(宝石)


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なお,世界最大の金鉱床であるウィットウォーターズランドの金鉱床は約30億年前に大規模な金鉱脈が侵食され,その礫が堆積して固まってできた礫岩層自体が金鉱床となっており,含金礫岩層と呼ばれる。一種の堆積鉱床であるが,時代が古いので非常に堅固な地層となっている。なお,多少の閃ウラン鉱も含み,ウランも回収され,そのウランは還元環境で安定な4価であることから,原始大気には遊離酸素は乏しかったことが考えられる。


ウィットウォーターズランドの金鉱石