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岩塩鉱床 〔戻る〕
主に大陸地域に見られ,日本にはない。
現在,生成しつつある岩塩鉱床は塩湖が干上がり,その塩分が析出して層をなすもので,ボリビアのウユニ湖などが顕著なものである。
また,過去の地質時代の古い岩塩鉱床は堆積層中に岩塩層をなし,その岩塩層は普通の堆積岩より密度が低く(約2.1〜2.2g/cm3),その上の堆積岩層を押しのけてドーム状に盛り上がり,「岩塩ドーム」をなすことがある。
岩塩鉱床の主な鉱物である岩塩(NaCl),カリ岩塩(KCl)などは,その主成分が塩素・ナトリウム・カリウム資源となるほか,微量の臭素・ヨウ素・リチウムなどを含み,それらの資源としても重要である。また,岩塩鉱床には硝酸ナトリウムであるチリ硝石(肥料原料)や,多量の含水ホウ酸ナトリウムや含水ホウ酸カルシウムであるウレキサイトやコレマナイトなど(ホウ素資源の大部分を占める)を伴う場合もある。
※岩塩鉱床から産する鉱物は,一般に硬度や比重が低く(モース硬度は1〜4,比重は2.0〜2.5のものが多い),脆く,水溶性のものも多い。
岩塩(左:ヒマラヤ産,右:ボリビア ウユニ湖産) NaCl 塩素・ナトリウム・リチウムなどの資源となる。このように自然界の塩化ナトリウムは格子欠陥や不純物の水酸化鉄などで若干色付いていることがある。 |
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ウレキサイト NaCaB5O6(OH)6・5H2O 白色の平行繊維状集合体。岩塩鉱床にしばしばまとまって産し,ホウ素資源として重要。 アメリカ カリフォルニア州 |
コレマナイト CaB3O4(OH)3・H2O 白色粒状集合体。岩塩鉱床にしばしばまとまって産し,ホウ素資源として重要。 アメリカ カリフォルニア州 |