[自然史博物館のページへ] [友の会のページへ]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
カーボナタイト鉱床 〔戻る〕
希土類元素(→ Sc, Y以外の,La・Ce・Nd・Prなどの比較的原子番号の小さな希土類元素が多い)・ニオブ・
ジルコニウム・リンなどの資源として重要。
炭酸塩マグマが固結した方解石や苦灰石を主とする火成岩をカーボナタイトといい,アメリカ大陸やアフリカ大陸などの大陸地域にアルカリ岩類に伴って分布している。一見して接触変成岩である結晶質石灰岩に似るが,含まれる質量数12と13の炭素の安定同位体比,16と18の酸素の安定同位体比が異なり,ペロブスカイト(CaTiO3)・バデレーアイト(ZrO2)・ジルコノライト(CaZrTi2O7)などのケイ酸分に乏しい条件でできる特殊なチタン・ジルコニウム鉱物を含んでいる場合が少なくない。
カーボナタイト鉱床では,その中に造岩鉱物として散点状に含まれるパイロクロアなどがニオブ・希土類資源,リン灰石がリン・希土類資源,バストネサイトなどが希土類資源,バデレーアイト・ジルコノライトなどがジルコニウム資源となる。
カナダ ケベック州 オカのカーボナタイト 白い部分は主に方解石で,暗色の部分が,Tiを含む灰鉄ざくろ石・磁鉄鉱・パイロクロア((Na,Ca,希土類)2(Nb,Ta)2(O,OH,F)7)・黒雲母・モンチセライト(CaMgSiO4)などを伴う部分。含まれるパイロクロアは希土類・ニオブ資源として重要。また,灰黄色針状のリン灰石が全体にまばらに含まれ,それもいくらかの希土類を含んでいる。 このような方解石−磁鉄鉱−パイロクロア−リン灰石の組み合わせをもつカーボナタイトは希土類・ニオブ資源・リン資源として注目され,カナダ ケベック州オカや,ドイツのカイザースタールなどで見られる。 |
アメリカ カリフォルニア州 マウンテンパスのカーボナタイト 全体が方解石,重晶石,バストネス石((La,Ce,Pr,Nd)CO3F)の集合体で,量としては方解石>重晶石>バストネス石。この試料ではバストネス石は散点状の橙黄色部分に特に多く含まれる。バストネス石を含むこのようなカーボナタイトはLa, Ce, Nd, Prなどの比較的原子番号の小さな希土類元素の重要な資源である。 |