結晶片岩(けっしょうへんがん)
crystalline schist                            

平たくはがれるように割れ,割れた面を見ると光沢があり,造岩鉱物が1方向に並んで見えることがある。この板のように割れやすい面は強い圧力を受けてでき たもので片理とい う。
しばしば強い圧力 によってできた曲がりくねった,しゅう曲構造が見られる。
代表的なものには以下のような種類がある。
結晶片岩の露頭
強い圧力で波打ったようにおし曲げられている結晶片岩の露頭/ 岡山県新見市大佐
主 な結晶片岩
黒色片岩
黒色片岩
(こくしょくへん がん)
炭素分を多く含むため,全体に灰黒色〜黒色で,泥岩が変成してできる場合が多い。
岡山県内では中〜北部にしばしば見られる。
黒色片岩の偏光顕微鏡写真
黒色片岩の偏光顕微鏡写真
黒色不透明部は炭素分,無色部は石英・白雲母。

白雲母片岩
白雲母片岩(しろうんもへんがん)
白雲母を多く含み日光に反射させ ると,きらきらと白く輝いて見え,ハンマーで簡単に傷がつ く。砂岩や泥岩な どが変成してできる。
岡山県内では中〜北部にしばしば見られる。
白雲母片岩の偏光顕微鏡写真
白雲母片岩の偏光顕微鏡写真
虹色部は白雲母,他は石英。

紅れん石片岩
紅れん石片岩(こうれんせきへんがん)
紅れん石という鉱物 を含 み,岩石全体が特徴的な桃赤色。チャー トが変成してできる。
岡山県内では見られない。
紅れん石片岩の偏光顕微鏡写真
紅れん石片岩の偏光顕微鏡写真
オレンジ〜桃赤色部は紅れん石,無色部は石英と白雲母。

緑色片岩
緑色片岩(りょくしょくへんがん)
アクチノ閃石,緑泥石が 多く含まれ,全体にくすんだ緑色。玄武岩やはんれい岩が変成してできる。
岡山県内では中〜北部にしばしば見られる。
緑色片岩の偏光顕微鏡写真
緑色片岩の偏光顕微鏡写真
緑色部はアクチノ閃石・緑泥石,無色部は斜長石・石英。


青色片岩(せいしょくへんがん)
藍閃石が 多く含ま れ,くすんだ青色。細粒ち密で水に濡らすと鮮やかな濃い青 色に見える。玄武岩やはんれい岩が非常に高 い圧力を受けて変成してできる。
岡山県内では新見市にまれに見られる。
青色片岩の偏光顕微鏡写真
青色片岩の偏光顕微鏡写真
青色部は藍閃石, 無色部は斜長石・緑れん石,黒色部は磁鉄鉱。

角閃石片岩
角閃石片岩(かくせんせきへんがん)
主に普通角閃石か らなり,黒色で きらきらと光り,他の結晶片岩よりも平たくはがれにくく, しま模様が粗い。玄武岩やはんれい岩が変成 してできる。
岡山県内では見られない。
角閃石片岩の偏光顕微鏡写真
角閃石片岩の偏光顕微鏡写真
緑褐〜緑色部は普通角閃石,無色部は斜長石,黒色部は磁鉄鉱。