いろいろな流紋岩 |
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マグマが流れつつ冷えて固まってできたもので,その流れがしま模様に
なったもの(粘り気のあるマグマが流れつつ冷えて固まるとこのようなしま模様ができやすい)。流紋岩の名はこのしま模様から名づけられたが,このような流
紋岩
は多くない。 A全体が灰色できめ細かく,その中に白いアルカリ長石や斜長石,灰色の石英のなどの粒(斑晶)が点々と入っている斑状組織を示すもので,最も普通の流紋岩。 B火山爆発で砕かれた石のかけらが入っているもの。 C数ミリメートルから1センチメートルくらいの白っぽ い球がたくさん入っているもの。マグマが急に冷える時,その中で鉱物の球状集合体ができたもので,球 顆流紋岩と呼ばれるもの。 Dマグマが非常に急に冷えて固まってできた黒いガラス のような流紋岩で,黒曜岩とか黒曜石と呼ばれる。縄文時 代は矢じりなどの石器の材料として利用された。まれに赤や灰色のものもある。 E細かい曲面状の割れ目が多く見られる褐色や緑褐色の ガラス状の流紋岩で,真珠岩と呼ばれる。水分を数パーセント含む。もろい。 (※なお,AとBのものは火砕岩(溶結凝灰岩)のことも多い。) |
流紋岩の残丘(和気町城山)/流紋岩は緻密でかたく,侵食に耐えるため,その分布域はこのような小高い山になることが多い。 |
岡山県内の流紋岩の多くは9000万〜1億年前にできたものだが,それよりわずかに新しい7000万〜9000万年前の花こう岩がその近隣に見られる。それは下図のように,流紋岩ができた直後に同じマグマがその下でゆっくり冷えて花こう岩になったためである。