| 石
材としてよく用いられている外国産の花こう岩 |
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 大きな桃色のアルカリ長石がまだらに含まれるもの。一種の斑状組織。（アメリカ産） |
 大きなアルカリ長石が流れ模様に沿って並んでいるもの。 地下深部でマグマが流れつつ冷えて固まってできた，流理組織を示すもの。 |
 粗い鉱物集合体の中に更に大きな径数ｃｍに達するような丸いアルカリ長石が散在し，そのアルカリ長石の回りを暗緑色の斜長石が薄く取り巻いているもの。 （フィ ンランド産。ラパキビ花こう岩と呼ばれるもの。一種の斑状組織） |
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また，花こう岩は銅，亜鉛，鉛，錫，タング
ステン，モリブデン，金，銀などの金属鉱床の生成とも密接な関係がある。それは花こう岩のマグマが固まる際，その中に微量含まれていたそれらの金属成分
が，水分（水蒸気や熱水）とともにマグマから分離して濃集し，金属鉱床ができるからである。
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| 花
こう岩に伴う金属鉱脈（タングステン鉱脈）／白っぽく細長く見える部分。 |
花こう岩は風化すると，水はけのよい，径数ｍｍ程度の粗い「まさ土」（下写真③）になる。
花こう岩が広く
分布する中国地方の平
野部には広く「まさ土」が見られる。
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| 花こう岩の風化
（①→②→③の順に風化していく） ①全く風化していないもので堅い。 ②やや風化したもの。黒雲母の鉄分がしみ出して茶色になり，ややもろくなっている。 ③風化が進んだもの。造岩鉱物がバラバラに分離して長石や黒雲母がかなり粘土化している（まさ土）。 |
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| 花こう岩のマグマが約７００℃で固まり，その後，冷えるときに体積がわ ずかに収縮することで，花こう岩には直方体方向の規則的な割れ目（方状節理）ができる。その方状 節 理に沿っ て雨水や地下水がしみ込み，図の左から右のように風化が進むと，風化に耐えた部分（大きな岩塊）が山の斜面に点在した侵食地形となる（右下写真）。花こう 岩地域には，このような地形がよく見られ，大雨が降ると，まさ土と岩塊が混ざったものが急激に流れ下る「土石流」が発生することがある。 |
 倉敷市六口島の「象岩」／海岸に露出する花こう岩が侵食 作用で削ら れ，偶然，象の形となったもの。国指定天然記念物。 |
 中国
地方におけるチタン鉄鉱を含む花こう岩と，磁鉄鉱を含む花こう岩の分布域
花こう岩にはチタン鉄鉱や磁鉄鉱と いった黒い微細な鉄鉱物が少量 含まれる。山陽地方の花こう岩にはチタン鉄鉱が含まれ，中国山地～山陰地方の花こう岩には主に磁鉄鉱 が含まれる。 花こう岩が風化するとこれらの鉄鉱物は砂鉄となって土砂中にたまる。「たたら製鉄」にはチタン含有率の少ない磁鉄鉱の砂鉄が適し，中国山地～山陰地 方の磁 鉄鉱を含む花こう岩が風化してできた「まさ土」からは，鉄穴流しで盛んに磁鉄鉱の砂鉄が採取されていた。 なお，チタン鉄鉱を含む山陽地方の花こう岩にはタングステン・錫の鉱床が随伴し，磁鉄鉱を含む山陰地方の花こう岩にはモリブデンの鉱床が随伴する傾向がある。この傾向は日本列島を含む世界の造山帯の花こう岩についてもあてはまる。 |
 磁鉄鉱（砂鉄） |
