一般的な火成岩の組織
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斑状組織
左写真のように,鉱物粒子が非常に細かい石基と呼ばれる緻密な生地に,比較的,粗く目立つ鉱物粒子(斑晶)が散らばっている。火山岩によく見られる組織である(左写真は安山岩)。しかし,右写真のように,時に深成岩にも 見られる(右写真は花こう岩)。 |
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等粒状組織
岩石を構成する鉱物粒子が平均して1mmより粗く,
それらが同じくらいの大きさで,ぎっしりと集合している組織。深成岩によく
見られ,火山岩には見られない。写真のものは花こう岩。 |
火山岩に
見られるそのほかの組織
火山岩は斑状組織を示すものが代表的だが,それ以外には下の
ような組織がある。 |
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緻密均質組織
非常
に急にマグマが冷えて固まったもので,斑晶が無く,無斑晶組織ともいう。特に顕微鏡で見ても結晶質物質がほとんどなく,肉眼で光沢のあるガラスの塊の
ようなものをガラス質組織という(右:流紋岩(黒曜岩と呼ばれるもの))。 |
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多孔質組織
マグマが地表付近に噴出したときに,圧力の減少によりマグマに含まれていた水分などの揮
発成分が気体となりマグマが発泡しつつ固まっ
た組織で,数mm程度の孔がたくさんあるもの。時に1cm以上の大きな孔もある。特徴としては以下のようなものがある。粘り気の少ない玄武岩質のマグマが流動せず,静かに固まると孔は球形に近い丸い形に なる (@)。 粘り気に富む流紋岩質のマグマの場合,孔は引き伸ばされたような不規則な形になることが多い(A)。 粘 り気の少ない玄武岩質のマグマでも,流動しながら固まると引き伸ばされたような不規則な形に なる(B)。 海底など,水中でマグマが噴出した場合は,孔の中に熱せられた水が入り込み,それから白っぽい沸石類や,めのう(石英)などが孔の 中にできることがあ る。 これを杏仁状組織ということがある(C)。 |
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球顆状組織
ケイ素の多い流紋岩質のマグマが冷える際,非常に細長く伸びた
クリストバライトや長石類の結晶が放射状に急成長し,玉状になったものが見られ
る組織。 |
深
成岩に
見られるそのほかの組織 深成岩は等粒状組織を示すものが代表的だが,それ以外には下 のような組織がある。 |
球
状
組織
地下のマグマ溜まりに周囲の岩石の破片が落ち込んで,その破
片を取り巻きつつマグマが同心球状に固まった組織。比較的まれな組織だ
が,マグマの固
結過程がわかるので重要である。写真のものは花こう岩。 |
文象(グラフィック)組織
花こう岩のマグマが固まる末期に,マグマに含まれていた水分などの揮発成分が500〜600℃程度のガスとしてマグマから分離
し,そのガスから0.5〜10mm程度の石英とアルカリ長石が互いに一定の結晶方位に並びつつ成長してできた組織(楔形文字に似るので文象組織という)。
これを伴う花こ
う岩は非常に分化の進んだもので,マグマ固結末期の産物である。 |
火
山岩と
深成岩の両方に見られるそのほかの組織 |
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流理組織
マグマが
流動しつつ固まったためにその流れの模様が岩石に残ったもの。左写真(流紋岩):火山岩の場合,粘り気のある流紋岩質〜安山岩質のマグマが冷えて固まる際にできやすい。 右写真(花こう岩):深成岩の場合,見られることは多くないが,大規模なマグマ溜まりでマグマが対流しつつ冷えて固まってできた場合に見られる。写真のも のは淡 褐色のアルカリ長石が流理組織に沿って並んでいる。 |
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沈積組織
マグマの中でできた鉱物が,マグマの下に沈んでたまった組織。 火山岩では少ないが,大規模なマグマ溜まりの底の方でできた深成岩にはよく見られ,大陸の10億〜30億年前の古い時代の深成岩体にひんぱんに見られる。
写真はかんらん岩に見られる沈積組織。下から,灰緑色のかんらん石がマグマ溜まりの底に沈積し,その上に,黒いクロムスピネル(クロム鉄鉱)が沈積して黒い層ができ,さらにその上にふたたび灰緑色のかんらん石が沈積している。 |
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ポイキリチック組織
大きな鉱物粒子の中に別の鉱物の小さな粒子が含まれて
いる組織。マグマの固結過程がわかるので重要。特に粒度の粗い深成岩に見られることが多い(大陸の古い時代の深成岩体に見られることが多く,写真の
ものはフィンランドの17億年前にできたラパキビ花こう岩で,数cmに達する淡褐色の丸いアリカリ長石が成長する際,黒雲母の黒い粒が取り込まれているポ
イキリチック組織)。 |