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---------  自色しか示さない鉱物  ---------  〔戻る〕

自色し か示さない鉱物には以下のようなものがある。

・不透明な元素鉱物
・亜鉛以外の金属元素,半金属元素(テルル・ヒ素・アンチモン・ビスマス),イオウ,セレンからなる鉱物(硫化鉱物・セレン化鉱物・テルル化鉱物・ヒ化鉱 物など)

遷移元素(バナジウム・ クロム・マンガン・鉄・ コバルト・ニッケル・銅など)を主成分とする酸化鉱物・炭酸塩・硫酸塩・ケイ酸塩鉱物(鉄ばんざくろ石,灰クロムざくろ石,灰鉄輝石など)などの大部分。

これらの鉱物は色が同定の重要な手がかりになる。その多くは透明度が低く,ケイ酸塩鉱物以外は濃い条痕色を示すものが多い。

※自色しか示さない鉱物でも粉末状のものは塊状のものとは色が異なる場合があるが,自色は塊状の色を指す(粉末状の色は他色とはいわず,条痕色という)。 例えば赤鉄 鉱は塊状のものは黒のみで,粉末状のものは暗紅色である → 赤鉄鉱は自色が黒で,他色はなく,条痕色は暗紅色とされる。

自色の鉱物



※ 自色しか示さない鉱物でも,酸素を含まない単 体金属の元素鉱物や硫化鉱物などは,時間とともに空気中の酸素で表面が酸化して変色することが多いの で,できるだけ新しい面を観察すること。

黄銅鉱を割ったもの
野外で拾った黄銅鉱を割った様子。風化した面は暗褐色になっている。
自然銅の変色
自然銅(左:新しい表面,右:数10年経って酸化した表 面)
※最後には褐黒色や緑色無光沢になる。
黄鉄鉱の変色
黄鉄鉱(左:新しい表面,右:10数年経って酸化した表 面)
※最後には褐色無光沢になる。
変色した磁硫鉄鉱
磁硫鉄鉱(左:新しい表面,右:10数年経って酸化した 表 面)
※最後には褐色無光沢になる。
斑銅鉱の色の変化
斑銅鉱(左:新しい表面,右:数か月経って酸化した表 面)
※最後には黒色や緑色無光沢になる。