テルル蒼鉛鉱 tellurobismuthite Bi2Te3 六方晶系 [戻る]
硫テルル蒼鉛鉱のS→Te置換体

平滑な研磨面が得られる。不定形のほか,時に板状結晶の断面の短冊状をなす。明るい白で,他の六方晶系の層状ビスマスカルコゲン化合物(生野鉱,ライタカリ鉱,ヘドレイ鉱,都茂鉱,硫テルル蒼鉛鉱,ホセ鉱など)とは光学的には識別困難。錆びにくい。
深熱水性金銀石英脈,気成鉱脈などのやや高温生成の鉱床中に自然金(Au約7割以上),硫砒鉄鉱,砒鉄鉱,磁硫鉄鉱などとともに見出される。ホセ鉱や生野鉱,ヘドレイ鉱とは異なり,自然ビスマスとは共生しない。

反射色/白
反射多色性/弱い(ほとんど認められない)
異方性/普通〜明瞭
反射率(λ=590nm)/約65%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/30〜90
内部反射/なし



テルル蒼鉛鉱(Teb) スウェーデン
平行ニコル
反射多色性はほとんど認められない。中央の大きい粒子には左やや上〜右やや下方向に劈開線がわずかに見られる。
深熱水鉱脈中。
Teb:テルル蒼鉛鉱,Asp:硫砒鉄鉱,Qz:石英



左のテルル蒼鉛鉱(Teb)の異方性(普通〜明瞭)
クロスニコル

Teb:テルル蒼鉛鉱,Asp:硫砒鉄鉱,Qz:石英