スペリーライト(砒白金鉱) sperrylite PtAs2 等軸晶系  [戻る]
黄鉄鉱のFe→Pt,S→As置換体

明るい白色。自形をなすことが多く,6面体・8面体・その集形で,同構造の黄鉄鉱や輝コバルト鉱などとは形態的に同じで,3角・4角・6角形などの断面を示す。また,丸みを帯びた不定形粒状や骸晶状のものもある。非常に錆びにくい。等方体で色・明るさはスクッテルダイト,鉄に富む輝コバルト鉱とよく似ており,それらとの区別は光学的に難しい。研磨硬度は非常に高く,平滑な研磨面を得るには時間がかかり,かつ,研磨面の浮き上がりが著しい。Ptの代わりにある程度のRhを含むことがあり,その量が多くなるとわずかに暗くなる。
白金に富む正マグマ鉱床中に磁硫鉄鉱,黄銅鉱,キューバ鉱,ペントランド鉱,磁鉄鉱などと共生して産する。しかし通常は,白金鉱石1tあたりの白金含有量は数g未満なので,1つの研磨片で数μm程度のものが1粒,あるいは数個の研磨片でようやく数μm程度のものが1粒見つかる程度である。
スペリーライトはクーペライト(cooperite PtS)などと共に重要な白金資源。

反射色/白
反射多色性/なし
異方性/なし
反射率(λ=590nm)/約55%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/960−1277
内部反射/なし



スペリーライト(Spe) ロシア ノリリスク平行ニコル
正マグマ鉱床中。黄鉄鉱型の密な原子配列なので黄銅鉱などに対し自形になる。6面体やそれと8面体との集形でその断面は多角形。視野の中央やや下寄りのものは骸晶状をなしている。この視野のように大粒のものが複数見られることは極めてまれで,通常は0.01mm程度の微粒子が磁硫鉄鉱や黄銅鉱中に単独でわずかに見られる程度。
Spe:スペリーライト,Cp:黄銅鉱,Gn:方鉛鉱,Mt:磁鉄鉱