スクッテルダイト skutterudite CoAs3 等軸晶系  [戻る]
ニッケルスクッテルダイトのNi→Co置換体

特徴のない明るい白色。Feに富む輝コバルト鉱,硫砒ニッケル鉱などとは光学的に識別困難。その他の等方体の白色鉱物とは硬度,明るさが区別点になる程度。自形をなす場合は8面体・6面体・およびその集形で,断面はまとまりのある多角形。平行連晶による累被状をなしたり,不定形のこともある。やや錆びやすく,虹色になる。硬く,平滑な研磨面を得るには時間がかかる。
高温の熱水鉱床などに産し,自然ビスマスやサフロ鉱などと共生する。この鉱物は硫黄欠乏条件ででき,黄鉄鉱とは共生しない。組成変化としてはAsのかわりに少量のSを含んだり,CoのかわりにFe,Niを含むことがあり,時にNiは多く含まれ,Ni>Coのものはニッケルスクッテルダイトという。しかし,光学的性質はあまり変わらない。

反射色/白
反射多色性/なし
異方性/なし
反射率(λ=590nm)/53%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/268−974
内部反射/なし



スクッテルダイト(Skt) チェコ ヨアヒムスタール平行ニコル
熱水鉱脈。樹枝状の自然ビスマス(Bi)や輝蒼鉛鉱(Bis)と共生し,それらとともに微粒集合体の迷路状をなす。
Skd:スクッテルダイト,Bi:自然ビスマス,Bis:輝蒼鉛鉱