サフロ鉱 safflorite CoAs2 斜方晶系  [戻る]
砒鉄鉱のFe→Co置換体
ランメルスベルグ鉱のNi→Co置換体


明るい白色。同構造のランメルスベルグ鉱とは光学的に区別しにくい。砒鉄鉱よりもやや異方性は弱い。短柱状〜板状で,菱型や短冊状の断面を示すほか,その累層状集合体や不定形粒状をなすこともある。やや錆びにくい。やや硬く,平滑な研磨面を得るには時間がかかる。カナダやドイツなどの硫黄に乏しい銀の熱水鉱床に,自然ビスマス,スクッテルダイト,自然銀などと共生してまとまって産することが多い。国内では接触変成作用を受けてできた層状マンガン鉱床にバラ輝石などに伴い小粒状でまれに産する。この鉱物は硫黄欠乏条件かつやや高温条件ででき,黄鉄鉱とは共生しない。組成変化としてはCoのかわりにかなりNiを含むことがあり,ランメルスベルグ鉱に移り変わる。また,Asのかわりに少量のSを含むこともある。これらの組成変化による光学的性質の変化はあまりない。

反射色/白
反射多色性/弱い(ほとんど認められない)
異方性/明瞭〜強い
反射率(λ=590nm)/約55−60%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/430−988
内部反射/なし



サフロ鉱(Sf) カナダ オンタリオ州 コバルト地域/
平行ニコル
深熱水鉱脈中。反射多色性は弱く,ほとんど認められない。これはNiをかなり含み,ランメルスベルグ鉱との中間組成のもので,不明瞭な累層状をなす。暗色部分はドロマイト。
Sf:サフロ鉱


左のサフロ鉱(Sf)の異方性/
クロスニコル
異方性は明瞭〜強く,ステージを回さなくても粒子ごとの結晶方位の違いがはっきり分かる。
Sf:サフロ鉱