リッカード鉱  rickardite Cu7Te5 正方晶系  [戻る]

平滑な研磨面が得られる。数粒の結晶方位の異なる粒子が集合していることが多く,反射多色性が著しいためステージを回さなくても特徴的な濃桃・紫色・灰青色のモザイク状に見え,他の鉱物との区別は容易。ステージを回すと著しく色が変化する。異方性も非常に強く,特徴的な青灰〜朱紅〜暗青色を示す。暗色に錆びやすい。
浅熱水成金銀鉱床にゴールドフィールド鉱,自然テルル,シルバニア鉱,ステイツ鉱,黄鉄鉱,黄銅鉱などとともに見出される。

反射色/濃桃・紫色・灰青色
反射多色性/非常に強く特徴的(濃桃〜紫色〜灰青色)
異方性/非常に強い。その色は特徴的な朱紅〜暗青色で火炎に見え,コベリンよりも鮮やか。
反射率(λ=590nm)/約25%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/133〜167
内部反射/なし



リッカード鉱(Rc)の反射多色性(非常に強い)/北海道手稲鉱山 平行ニコル
数粒の結晶方位の異なる粒子がモザイク状に集合し,ステージを回さなくても濃桃・紫色・灰青色のモザイク状に見える。ステージを回すと著しく色が変化する。リッカード鉱は微細なものが多いが,このような特徴的な濃桃色を示すので気づきやすい。浅熱水成金銀鉱床中。
Rc:リッカード鉱,Te:自然テルル,Qz:石英
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検鏡試料:石英質のテルル性金銀鉱石中の灰黒色部。




左のリッカード鉱(Rc)の異方性(非常に強い)/クロスニコル
青灰色〜火炎のような朱紅色に変化する。コベリンよりも色が鮮やか。
Rc:リッカード鉱,Te:自然テルル,Qz:石英