レニエル鉱 renierite Cu11Fe4Ge2S16 正方晶系 [戻る]
特徴的なオレンジ褐色。塊状硫化物鉱床などにまれに産し,閃亜鉛鉱・黄鉄鉱・黄銅鉱などを伴い,微小な粒で産する。国内では黒鉱鉱床でわずかに見つかっている。世界的に肉眼的な大きさのものはコンゴのキプシ鉱山以外にはほとんど知られておらず,そこではガリウム鉱物のガライト(gallite
CuGaS2)などを伴う。やや錆びにくい。
似た色の鉱物として,モースン鉱はやや軟らかく反射多色性・異方性は共に非常に強い。斑銅鉱はやや軟らかく,やや錆びやすく数日で研磨面は紫色がかり,反射多色性・異方性は認めにくい。
反射色/オレンジ褐色
反射多色性/普通
異方性/明瞭
反射率(λ=590nm)/29%程度
ビッカース硬度(kgf/mm2)/300〜400
内部反射/なし
レニエル鉱(Rn)の反射多色性(普通) コンゴ キプシ鉱山/平行ニコル 特徴的なオレンジ褐色だが,反射多色性は普通で注意しないと分からない。 Ren:レニエル鉱,Ga:ガライト,Ten:砒四面銅鉱,Sp:閃亜鉛鉱,Qz:石英 |
左のレニエル鉱(Rn)の異方性(明瞭)/クロスニコル 異方性は明瞭で,上写真ではモザイク状集合体であることがわかる。 Ren:レニエル鉱,Ga:ガライト,Ten:砒四面銅鉱,Sp:閃亜鉛鉱,Qz:石英 |