ランメルスベルグ鉱 rammelsbergite NiAs2 斜方晶系  [戻る]
砒鉄鉱のFe→Ni置換体
サフロ鉱のCo→Ni置換体


明るい白色。同構造のサフロ鉱とは光学的に区別しにくい。砒鉄鉱よりもやや異方性は弱い。サフロ鉱と複雑な累帯構造をなすこともある。組成変化としてはNiのかわりにかなりCoを含み,連続的にサフロ鉱に移り変わる。また,Asのかわりに少量のSを含むこともある。これらの組成変化による光学的性質の変化はあまりない。
中温〜高温の熱水鉱床などに,磁硫鉄鉱,黄銅鉱,自然ビスマス,紅砒ニッケル鉱,ニッケルスクッテルダイトなどと共生して産する。低温の熱水鉱床にはあまり産しない。この鉱物は硫黄欠乏条件かつやや高温条件ででき,黄鉄鉱とは共生しない。 また砒素に欠乏した組成のmaucherite(Ni3As2)とは共生しない。
同質異像のパラランメルスベルグ鉱は異方性の色が青みが弱いものの,光学的に区別困難。

反射色/白
反射多色性/弱い(ほとんど認められない)
異方性/明瞭〜強い
反射率(λ=590nm)/約60%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/459−830
内部反射/なし



ランメルスベルグ鉱(Rm) カナダ コバルト地域平行ニコル
反射多色性は弱く,ほとんど認められない。
これは高温鉱脈中のもの。微細な鋭角の輪郭のある自形〜半自形の微細な結晶が多数集合し,曲がった累層状をなす。これはNiのかわりにかなりCoを含むもの。
Rm:ランメルスベルグ鉱,Dol:苦灰石
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検鏡試料:白い苦灰石を伴う銀色のコロフォルム組織部分




左のランメルスベルグ鉱(Rm)の異方性(明瞭〜強い) クロスニコル
結晶方位が異なる微粒子のモザイク状集合体で,注意すると粒子ごとのコントラストで異方性がわかる。
Rm:ランメルスベルグ鉱,Dol:苦灰石