紅砒ニッケル鉱 niccolite(nickeline) NiAs 六方晶系  [戻る]
磁硫鉄鉱(トロイライト)のFe→Ni,S→As置換体

特徴的な橙色だが,明瞭な反射多色性でくすんだ黄色などにも見える。まれにAsのかわりに著量のSbが含まれることがあり,その量が多くなると紫がかり暗くなる。そのほかの組成変化はあまりない。やや硬いが平滑な研磨面が得られる。錆びにくい。自形はまれで,多くは不定形のモザイク状集合体をなす。Sの付加を受け,部分的に硫砒ニッケル鉱に交代されていることがある。
高温の熱水鉱床などに産し,maucherite(Ni3As2),硫砒ニッケル鉱,自然ビスマス,磁硫鉄鉱,硫砒鉄鉱,黄銅鉱,方鉛鉱などと共生する。この鉱物は硫黄欠乏条件ででき,黄鉄鉱とは共生しない。

反射色/橙桃〜橙〜黄色
反射多色性/明瞭(橙桃〜橙〜黄色)
異方性/非常に強い
反射率(λ=590nm)/55%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/308−533
内部反射/なし



紅砒ニッケル鉱(視野のほぼ全体)の反射多色性(明瞭) 兵庫県夏梅鉱山/平行ニコル
反射多色性は明瞭でステージを回さなくてもわずかに橙色・橙桃色などの色ムラとして見えている。


左の紅砒ニッケル鉱(視野のほぼ全体)の異方性(非常に強い)クロスニコル
異方性は非常に強く,モザイク状の粒界がはっきりわかる。