針ニッケル鉱 millerite NiS 六方晶系  [戻る]

黄色で明るく,反射多色性はほとんど認められないが,異方性が強い。黄銅鉱より明るく,ペントランド鉱よりも明らかに黄色が濃い。光学的にはヒーズルウッド鉱と区別困難。組成変化はあまりない。
蛇紋岩の割れ目に石英やオパール,炭酸塩鉱物などに伴い,粒状をなすほか,時に針状をなし,その横断面が小粒状として見られる。
ヒーズルウッド鉱よりも低温ででき,磁鉄鉱と共生することは少ない。やや錆びやすい。

反射色/黄
反射多色性/弱い(ほとんど認められない)
異方性/強い
反射率(λ=590nm)/約53%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/192−376
内部反射/なし



針ニッケル鉱(Mil) 兵庫県大屋鉱山
平行ニコル
蛇紋岩中の低温生成のケイ酸脈中のもの。反射多色性は弱く,ほとんど認められない。
針ニッケル鉱はかなり低温ででき,磁鉄鉱と共生することは少ない。
光学的によく似たヒーズルウッド鉱は針ニッケル鉱よりも高温ででき,磁鉄鉱に密接に共生することが多い。
Mll:針ニッケル鉱,Op:オパール

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検鏡試料:ケイニッケル鉱の鉱染により緑色のオパール質・石英質ニッケル鉱石。その中の灰黒色部分




左の針ニッケル鉱(Mil)の異方性(強い)/
クロスニコル

異方性は強い。
Mll:針ニッケル鉱


針ニッケル鉱(Mil)/兵庫県大屋鉱山
 平行ニコル
蛇紋岩中の低温生成のケイ酸脈中。このように細かい針状の自形をなすことも多い。