ミアルジル鉱 miargyrite AgSbS2 単斜晶系  [戻る]

わずかに青色を帯びた灰色。濃紅銀鉱−淡紅銀鉱よりも青みがやや弱い。反射多色性は明瞭で明青灰〜灰色に変化する。異方性は強い。暗紅色の内部反射が認められることがあるが顕著ではない。モザイク状集合体をなしていることがある。やや錆びにくい。Ag⇔Cuの置換はあまりない。Sb⇔Asの置換は部分的に起こるが光学的性質は一定している。
浅熱水性金銀鉱脈に産し,濃紅銀鉱−淡紅銀鉱,黄鉄鉱,方鉛鉱,閃亜鉛鉱などに伴う。晩期生成物として鉱脈の中央付近に輝安鉱とともに見られることもある。銅にやや乏しい環境下でできるため,多量の黄銅鉱などの銅鉱物を伴うことはなく,黒鉱鉱床にも産しない。しかし銀四面銅鉱とはしばしば密接に共生する。この鉱物を伴う金銀鉱石は金に乏しく銀に富む場合が多く,メキシコやペルーなどの銀鉱床には方解石を伴い,黄鉄鉱・閃亜鉛鉱・濃紅銀鉱・baumstarkite(ミアルジル鉱の多形)などとともに頻繁に産する。
輝銀鉱・脆銀鉱とは共生しない。

反射色/帯青灰色
反射多色性/明瞭(明青灰〜灰色)
異方性/強い
反射率(λ=590nm)/約30−35%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/88〜123
内部反射/時に暗紅



ミアルジル鉱(Mia) 大分県大高鉱山平行ニコル
反射多色性は明瞭で,明青灰〜灰色。黄銅鉱のような銅鉱物はあまり伴わない。浅熱水成金銀鉱脈中。
Mia:ミアルジル鉱,Qz:石英
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検鏡試料:緻密な乳白色の石英質金銀鉱石中の黒色斑点部(銀黒)




左のミアルジル鉱の異方性(強い)/クロスニコル
異方性は強くわかりやすい。暗紅色の内部反射も少し認められる。
Mia:ミアルジル鉱,Qz:石英