モースン鉱 mawsonite Cu6Fe2SnS8 正方晶系  [戻る]

褐橙〜黄灰色に変化する非常に強い反射多色性が特徴で,集粒状のものはステージを回さなくてもモザイク状に色が違って見える。異方性も非常に強く,橙色・青色・灰色など多彩な色を示す。平滑な研磨面が得られる。
錫を伴う熱水鉱脈中に,黄銅鉱,斑銅鉱,褐錫鉱,黄錫鉱,閃亜鉛鉱,四面銅鉱,ストロメイヤ鉱,石英などと共に不定形粒状でしばしば見出されるが,やや低温条件でできる。錫石とはあまり共生せず,特に斑銅鉱・褐錫鉱・黄銅鉱・四面銅鉱と密接に共生することが多い。

反射色/褐橙〜黄灰色
反射多色性/非常に強い(褐橙〜黄灰色)
異方性/非常に強い
反射率(λ=590nm)/26〜27%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/166−210
内部反射/なし



モースン鉱(Maw)の反射多色性 兵庫県多田鉱山
平行ニコル
熱水鉱脈鉱床中。反射多色性は非常に強い。写真は結晶方位の異なる微粒子がモザイク状に集合しており,ステージを回さなくても結晶粒子ごとに褐橙色や黄灰色に色が違って見える。ステージを回すと色の変化が著しい。
Maw:モースン鉱,Cp:黄銅鉱,Qz:石英


左のモースン鉱(Maw)の異方性/
クロスニコル
異方性も非常に強く,写真のようなモザイク状集合体ではステージを回転させなくても橙色・青色・灰色などの色の違いで異方性ははっきりしている。
Maw:モースン鉱,Cp:黄銅鉱,Qz:石英