白鉄鉱 marcasite FeS2 斜方晶系  [戻る]
硫砒鉄鉱のAs→S置換体
砒鉄鉱のAs→S置換体


反射多色性は普通程度で,クリーム黄〜帯褐黄白色。硬く,平滑な研磨面を得るには時間がかかる。やや錆びやすく,その後,硫酸鉄の粉末になり研磨面が崩壊することもある。
浅熱水鉱床に時々見られ,不定形の他,板状およびその集合体をなし,その断面が,短く切れた線状,槍の穂状,扇状に見えることがある。共生鉱物は少なく,黄鉄鉱,閃亜鉛鉱などで,浅熱水成金銀鉱床では時に自然金・濃紅銀鉱などを伴うこともある。
組成変化は少なく,光学的性質は一定している。
なお,黄鉄鉱も異方性(普通程度)を有することがあり,その場合,黄鉄鉱と区別困難なことがある。

反射色/クリーム黄〜帯褐黄白色
反射多色性/普通(クリーム黄〜帯褐黄白色)
異方性/明瞭
反射率(λ=590nm)/48−52%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/762−1100
内部反射/なし



白鉄鉱(Mr)の反射多色性(普通) 鹿児島県菱刈鉱山 山田鉱床平行ニコル
浅熱水成金銀鉱脈中。板柱状の自形。反射多色性は普通で,注意しないと分からない(クリーム黄〜帯褐黄白色)。
Mr:白鉄鉱,Qz:石英
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検鏡試料:累被状組織がある緻密な石英質金鉱石中の点列状の黒色部(上側部分)


左の白鉄鉱の異方性(明瞭)クロスニコル
単独粒子だが異方性がはっきりわかる(やや中央付近。褐灰〜青灰)。
Mr:白鉄鉱,Qz:石英