ヘドレイ鉱  hedleyite Bi7Te3 六方晶系  [戻る]

平滑な研磨面が得られる。不定形のほか,時に板状結晶の断面の短冊状をなす。明るい白で,他の六方晶系の層状ビスマスカルコゲン化合物(生野鉱,ライタカリ鉱,都茂鉱,硫テルル蒼鉛鉱,テルル蒼鉛鉱,ホセ鉱など)とは光学的には識別困難。錆びにくい。
深熱水性金銀石英脈,気成鉱脈,スカルン鉱床などのやや高温生成の鉱床中に自然金(Au約7割以上),砒鉄鉱などとともに見出される。特に自然ビスマスと密接に共生することが多い。一方,硫テルル蒼鉛鉱,テルル蒼鉛鉱は自然ビスマスとは共生しないので,共生鉱物からは,それらとはある程度,区別できる。
非常に硫黄が欠乏した条件で生成し,黄鉄鉱などとは共生しない。

反射色/白
反射多色性/弱い(ほとんど認められない)
異方性/普通〜明瞭
反射率(λ=590nm)/約50%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/30〜50
内部反射/なし



ヘドレイ鉱(Hdy) 大分県木浦鉱山
平行ニコル
反射多色性はほとんど認められない。自然ビスマスは少しクリーム色が強く,軟らかく研磨面のざらつきがヘドレイ鉱よりも顕著。
スカルン鉱床中。
Hdy:ヘドレイ鉱,Bi:自然ビスマス,Wo:ケイ灰石
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検鏡試料:ケイ灰スカルン石中のビスマス鉱物が濃集した黒色部分





左のテルル蒼鉛鉱(Hdy)の異方性(普通〜明瞭)
クロスニコル

異方性は自然ビスマスよりもはっきりしており,注意すると認められる。
Hdy:ヘドレイ鉱,Bi:自然ビスマス,Wo:ケイ灰石