ヒーズルウッド鉱 heazlewoodite Ni3S2 六方晶系  [戻る]

反射色は黄銅鉱に似た黄色で,反射多色性もほとんど認められない。しかし,黄銅鉱よりもやや明るく,強い異方性がある。ペントランド鉱よりは明らかに黄色が濃い。組成変化はあまりない。平滑な研磨面が得られる。
蛇紋岩中に特に磁鉄鉱に伴い不定形をなして産する。アワルワ鉱,自然銅,輝銅鉱などを伴うこともある。
針ニッケル鉱と光学的性質が酷似するが,ヒーズルウッド鉱は特に磁鉄鉱に共生し,あまり低温条件では生成しない。

反射色/黄
反射多色性/弱い(ほとんど認められない)
異方性/強い
反射率(λ=590nm)/約57%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/221−274
内部反射/なし



ヒーズルウッド鉱(Hz)山口県
平行ニコル
蛇紋岩中。反射多色性は弱く,ほとんど認められない。ヒーズルウッド鉱はこのように磁鉄鉱に密接に共生することが多い。
光学的によく似た針ニッケル鉱はかなり低温ででき,磁鉄鉱と密に共生することは少ない。
Hz:ヒーズルウッド鉱,Mt:磁鉄鉱,Ser:蛇紋石


左の ヒーズルウッド鉱の異方性/
クロスニコル(右は左を時計回りに90°回転したもの)

異方性は強く,それによりモザイク状集合体をなしているのが分かる。