ゲルマナイト germanite Cu13Fe2Ge2S16 等軸晶系  [戻る]

特徴的な桃紫色でやや暗い。錆びやすく,青みを帯び暗色になる。色と等方体であることが特徴。塊状硫化物鉱床に閃亜鉛鉱・黄鉄鉱・黄銅鉱・方鉛鉱・砒四面銅鉱などに伴い微小な粒で希に産する。国内では黒鉱鉱床でわずかに見つかっている。世界的に肉眼的な大きさのものはコンゴのツメブ以外にほとんど知られていない。ツメブでは時にガリウム鉱物であるガライトgallite(GaCuS2)を伴う。
ルソン銅鉱に色調は似るが,それは明瞭な反射多色性と異方性がある。また,斑銅鉱の錆びはじめの色(紫色)とよく似ているが,ゲルマナイトは硬く,かつ,黄銅鉱の離溶ラメラを含まない。

反射色/桃紫色
反射多色性/なし
異方性/なし
反射率(λ=590nm)/約25%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/370〜450
内部反射/なし



ゲルマナイト(Ge)
 コンゴ ツメブ/
平行ニコル
塊状硫化物鉱床産。写真では分からないが,閃亜鉛鉱(Sp)中には細かいガライト(CuGaS2)の離溶ラメラを含む。
Ge:ゲルマナイト,Ten:砒四面銅鉱,Sp:閃亜鉛鉱,Py:黄鉄鉱
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検鏡試料:緻密な暗紫色小塊状のもの。