ガライト(ガリウム銅鉱) gallite  CuGaS2 正方晶系 [戻る]
黄銅鉱のFe→Ga置換体
インジウム銅鉱のIn→Ga置換体

平行ニコル下で特徴のない灰色。四面銅鉱よりもやや暗い。インジウム銅鉱と似ており,それとの区別は困難。正方晶系だが光学的にはほぼ等方体。平滑な研磨面が得られる。
世界的にまれな鉱物だが,ガリウムを主成分とする鉱物としてはほぼ唯一のもの。ゲルマニウムを主成分とする鉱物に伴って産する傾向があり,コンゴの塊状硫化物鉱床のツメブ鉱山やキプシ鉱山などで産する。ツメブ鉱山ではゲルマナイトに伴い数10μm程度の粒状やゲルマナイトと共生する閃亜鉛鉱中に幅数μm程度の離溶ラメラをなす。キプシ鉱山ではレニエル鉱に伴い数10μm程度の粒状やレニエル鉱と共生する閃亜鉛鉱中に幅数μm程度の離溶ラメラをなす(下写真)。

反射色/灰色
反射多色性/なし
異方性/なし
反射率(λ=590nm)/約20%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/200〜250
内部反射/なし



ガライト(ガリウム銅鉱) コンゴ キプシ鉱山/平行ニコル

レニエル鉱に密接に伴い,灰色の不定形をなす。また,レニエル鉱に密接に伴う閃亜鉛鉱中に幅数μm程の3方向の離溶ラメラをなす。
このガライトには閃亜鉛鉱の離溶ラメラを含まず,かつZnはほとんど含んでいない。したがって鉱床生成時の約300℃では,ガライトと,Cu・Gaを含む閃亜鉛鉱は非対称ソルバスで共存していたと考えられる。
写真の左右0.48mm