硫砒銅鉱 enargite Cu3AsS4 斜方晶系 [戻る]
反射多色性は明瞭で桃褐灰〜灰色。ルソン銅鉱よりも赤味が弱い。明瞭な異方性があるが,ルソン銅鉱とは異なり,集片双晶は見られない。不定形のほか,短冊状の自形をなすこともある。やや錆びにくい。組成変化にやや乏しく,ルソン銅鉱とは異なり,AsはあまりSbで置換されない。なお,Asは5+で存在し,硫塩鉱物の3+とは異なる。平滑な研磨面が得られるが,まれに劈開線が1方向に見られる。
硫黄分の多い熱水から生成した金銅鉱床(南薩型金鉱床など)にルソン銅鉱・黄鉄鉱・コベリン・自然金(Agに乏しい濃黄色のもの)・スコロド石・石英・自然硫黄などとともに見られる。それ以外ではまれに黒鉱鉱床に見出される程度。ルソン銅鉱と同じ産状で,幅広く産する鉱物ではない。
反射色/桃褐灰〜灰色
反射多色性/明瞭(桃褐灰〜灰色)
異方性/強い
反射率(λ=590nm)/24〜29%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/133〜383
内部反射/時に暗紅色だが,見られないことも多い
![]() 硫砒銅鉱(Enr)の反射多色性(明瞭) 台湾金瓜石鉱山/平行ニコル これは硫黄分の多い熱水から生成した金銅鉱床(南薩型金鉱床)中のもの。反射多色性は明瞭で上側の「Enr」の文字付近を境に上側が桃褐灰色,下側が灰色に見えている。 Enr:硫砒銅鉱,Py:黄鉄鉱,Qz:石英 ----------------------------- 検鏡試料:粗い黄鉄鉱(淡黄色)と硫砒銅鉱(暗灰色)を主とする鉱石。 ![]() |
![]() 左の硫砒銅鉱(Enr)の異方性(強い)/クロスニコル 上側の「Enr」の文字付近にある境界でのコントラストで異方性がはっきりしている。 Enr:硫砒銅鉱,Py:黄鉄鉱,Qz:石英 |