角銀鉱(塩化銀鉱) chlorargyrite AgCl 等軸晶系 [戻る]

非常に硬度が低く可塑性に富み,荒れた研磨面になりやすい。等方体。平行ニコル下では灰色だが,内部反射でやや黄色がかって見える。クロスニコル下では黄〜黄灰色の内部反射が著しい。長く光に当たると単体の銀を遊離して暗紫褐色・灰黒色になる。Clの代わりに若干のBrを含むことが少なくなく,この場合,内部反射の色は黄色が一層強くなり,やや緑色を帯びる場合もある。
浅熱水金銀鉱脈中に産するが,地表付近の浅い部分に産する傾向がある。褐鉄鉱,アグイラ鉱〜ナウマン鉱,エレクトラムなどと共生し,石英などの空隙を満たした不定形をなすほか,時に空隙に面して明らかな6面体の自形をなすこともある。多量の硫化鉱物を伴うことは少ない。

反射色/灰色(内部反射で黄色がかって見えることが多い)
反射多色性/なし
異方性/なし
反射率(λ=590nm)/約10%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/20〜30
内部反射/淡黄〜黄灰色で著しい。Clの代わりにBrを含むものは黄色が一層強く,緑色を帯びる場合もある。なお,長く光に当たると単体の銀を遊離して暗紫褐色・灰黒色になる。



角銀鉱 北海道歌登鉱山

左の平行ニコルでは反射色は灰色だが,内部反射で黄色がかって見える。非常に硬度が低く可塑性に富み,荒れた研磨面になりやすい右のクロスニコルでは黄〜黄灰色の内部反射が著しく脈石鉱物と紛らわしい。長く光に当たると単体の銀を遊離して暗紫褐色・灰黒色になる。
Cha:角銀鉱,Nm:ナウマン鉱,Lim:褐鉄鉱,Qz:石英