ブラウン鉱 braunite  Mn2+Mn63+O8(SiO4)  正方晶系  [戻る]

反射色はわずかに褐色を帯びた灰色。反射多色性は弱いが,異方性は普通。磁鉄鉱に似るが,それより褐色味が弱く,異方性があることで区別できる。硬度が高く,平滑な研磨面を得るには時間がかかる。
高圧型の広域変成作用を受けた層状マンガン鉱床に紅れん石,石英などとともに産することが多く,しばしば紅れん石片岩の副成分鉱物としても見られる。接触変成作用を受けた層状マンガン鉱床に石英,バラ輝石などとともに産することもあるが,その場合,やや酸化的な環境下でMnが3価となって形成される。

反射色/わずかに褐色を帯びた灰色
反射多色性/弱い
異方性/普通
反射率(λ=590nm)/約20%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/690〜875
内部反射/認められないことが多いが,希に深紅



ブラウン鉱(Bru) 岩手県田野畑鉱山
平行ニコル
接触変成作用を受けた層状マンガン鉱床中。反射多色性はほとんど認められない。
Bru:ブラウン鉱,Koz:神津閃石,Qz:石英


左のブラウン鉱(Bru)の異方性(普通)クロスニコル
隣り合う粒子とのコントラストで異方性が認められる。
Bru:ブラウン鉱,Koz:神津閃石,Qz:石英

 



ブラウン鉱(Bru) 愛媛県四国中央市
平行ニコル
紅れん石片岩中。
Bru:ブラウン鉱,Qz:石英,Pie:紅れん石