輝蒼鉛鉱 bismuthinite Bi2S3 斜方晶系  [戻る]
輝安鉱のSb→Bi置換体

反射多色性が強く,反射色は帯青白〜クリーム灰白に変わる。不規則な集合体のほか,柱状のことも多い。輝安鉱と同構造で,完全なへき開で割れた部分が剥落し,そこが小さな細長い凹みとなり,それが互いに平行に並んで見えることがある。やや錆びにくい。輝安鉱よりやや明るく,それよりも高温の鉱床に多種の鉱物に伴って産することが多い。
中温から高温の多金属の熱水鉱床・スカルン鉱床に自然ビスマス,生野鉱,黄銅鉱,黄鉄鉱,コサラ鉱,褐錫鉱,黄錫鉱,パボン鉱,エンプレクト鉱などを伴って産する。方鉛鉱・輝銀鉱・輝安銀鉱・輝銅鉱・テルル蒼鉛鉱などとは共生しない。
通常,組成変化はほとんどないが,中温の熱水鉱床ではまれに著量のSbを含むものがある。

反射色/帯青白〜クリーム灰白
反射多色性/強い。帯青白〜クリーム灰白
異方性/非常に強い。
反射率(λ=590nm)/37〜49%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/67−216
内部反射/なし



輝蒼鉛鉱(Bis)の反射多色性(強い) 兵庫県生野鉱山平行ニコル
中温の熱水鉱脈鉱床中。結晶方位の異なる粒子がモザイク状に集合し,そのコントラストではっきりと反射多色性が分かる。
Bis:輝蒼鉛鉱,Qz:石英


左の輝蒼鉛鉱の反射多色性(非常に強い)/
クロスニコル

結晶方位の異なる粒子がモザイク状に集合し,そのコントラストではっきりと異方性が分かる。