ベルチェ鉱 berthierite FeSb2S4 斜方晶系  [戻る]

反射多色性が強く灰白〜帯褐白色に変わり,輝安鉱より褐味があり,やや硬い。針〜柱状のものが多く,また,不規則な集合体をなす。輝安鉱同様,完全なへき開で割れた部分が剥落し,そこが小さな細長い凹みとなり,それが互いに平行に並んで見えることがある。輝安鉱より錆びやすく,青や褐色になりやすい。
普通は組成変化はほとんどないが,Feの代わりに若干のMnを含むことがある。それによる光学的変化は少ない。
熱水鉱床に産し,伴われる硫化鉱物は黄鉄鉱・輝安鉱・四面銅鉱系鉱物などに限られ,他の硫化鉱物を伴わず,単独に産することも多い。輝安鉱+黄鉄鉱の組み合わせよりも,高温・低aS2条件でできる。

反射色/灰白〜帯褐白色
反射多色性/強い(灰白〜帯褐白色)
異方性/非常に強い
反射率(λ=590nm)/30〜40%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/102−213
内部反射/なし



ベルチェ鉱(Ber)の反射多色性(強い) 兵庫県中瀬鉱山平行ニコル
中温の熱水鉱脈中。灰白〜帯褐白色に変化する。輝安鉱よりも明らかに褐味がある。
Ber:ベルチェ鉱,Qz:石英
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検鏡試料:石英質。白く反射する輝安鉱・ベルチェ鉱・銀四面銅鉱が散在。




左のベルチェ鉱(Ber)の異方性(非常に強い)/クロスニコル
強く,ステージを回さなくてもモザイク状ではっきり認められる。
Ber:ベルチェ鉱,Qz:石英