テルル鉛鉱 altaite PbTe 等軸晶系 [戻る] 
方鉛鉱のS→Te置換体
セレン鉛鉱のSe→Te置換体


平滑な研磨面が得られる。不定形。クリーム白で,明るい。層状ビスマスカルコゲン化合物と,一見似るが等方体なので区別は容易。錆びにくい。方鉛鉱と同構造で同じ完全な劈開があるので,時に劈開で剥落した特徴的な3角形の穴が見られることがある。
深〜浅熱水性金銀鉱床などに自然金,方鉛鉱,自然テルル,シルバニア鉱などとともに見出される。方鉛鉱と同形だが,高温でも互いにほとんど固溶せず,それと平行連晶で共生することもある。
なお,Te・SeはPbよりもAgと化合しやすく,SはAgよりもPbと化合しやすい。そのため,テルル鉛鉱(PbTe)・セレン鉛鉱(PbSe)は輝銀鉱(Ag2S)とは共生しない(その元素の組み合わせでは方鉛鉱(PbS)とヘッス鉱(Ag2Te),方鉛鉱(PbS)とナウマン鉱(Ag2Se)の共生体になる)。

反射色/クリーム白
反射多色性/なし
異方性/なし
反射率(λ=590nm)/約69%
ビッカース硬度(kgf/mm2)/30〜60
内部反射/なし



テルル鉛鉱(Alt) アメリカ ドナアナ/
平行ニコル
ケイ灰石を主とするスカルン鉱床中。方鉛鉱と共生するが,このような高温鉱床でも互いにあまり固溶していない。テルル鉛鉱は明るいクリーム白色で,コントラストで共生する方鉛鉱はやや灰色がかって暗く沈んで見える。
Alt:テルル鉛鉱,Gn:方鉛鉱,Wo:珪灰石



テルル鉛鉱(Alt) アメリカ コロラド州 ボールダー/
平行ニコル
浅熱水性金銀鉱床中で多種のテルル鉱物と共生するもの。
Alt:テルル鉛鉱,Sy:シルバニア鉱,Col:コロラド鉱,Mel:メロナイト,Qz:石英