SEM像  [戻る]

EDSの分析機器には通常,二次電子検出器でSEM像(二次電子像)も観察できるようになっており,微細な粘土鉱物や沸石類などの結晶形態も調べられる。

例えば,熱水変質や風化で生じる白色土状のカオリン鉱物(カオリナイト,ディッカイト,ハロイサイトなど。化学組成はいずれもAl2Si2O5(OH)4の多形)の同定はXRDでも困難で,形態観察が有効である。これには塊状試料を砕いて水で溶いたものをスライドクラスに1滴つけ,それを充分に乾燥させ,炭素蒸着して観察する。

白色土状のカオリン鉱物のカオリナイト(上)とハロイサイト(下)は肉眼などでは区別が困難だが,SEM像による形態観察ではその違いが明瞭である。カオリナイトは主に6角板状で,ハロイサイトは針状である。