「縄文人の知恵を学ぼう」

第7回 「縄文人の釣りに挑戦しよう」(2005年11月5日報告)


 縄文人の知恵を学び,生活を体験する講座の最終回。
締めくくりは今まで学んだことを活かし,これまでの講座で作り上げた道具を使い,食料を得る釣りにチャレンジしました。

縄文人の知恵を学ぼうの様子
思い思いの出で立ちで太公望をめざします。
丹精込めて作り上げた鹿角製の釣り針はエサのゴカイよりも太いのです。まずはエサをつけるところから一苦労。
縄文人の知恵を学ぼうの様子
縄文人の知恵を学ぼうの様子
縄文人の知恵を学ぼうの様子
カイコの糸が切れてはたいへんと,ナイロンテグスで命綱をつけ,さあ開始。
周囲の釣り人からは何を釣っているのかと不思議がられます。
縄文人の知恵を学ぼうの様子
目の前をサヨリの群れが通り過ぎるのですが,魚信はまったくありません。
それもそのはず。魚の口より何倍も大きな釣り針です。
魚にとってはつついてごちそうにあやかるには絶好の場だったでしょう。



 ついには縄文針・縄文糸をあきらめ,釣具屋で買った平成針・平成糸に変更する人あり。
鹿角製の釣り針で地球を釣った人も何人か。

 縄文時代には今夜の食材1つ入手するにもどれほどの苦労があったことでしょう。
飽食の時代と言われる現代,坊主で帰宅しても何の支障もないのですが,縄文の人々にとっては生死に関わることだったのですね。

 軽い気持ちで参加した講座でしたが7回の講座を通し,縄文人が「生きる」ということに向かって計り知れないほどの知恵 をめぐらし努力を惜しまなかったことを改めて痛感させられました。


(文:山崎法子・写真:江田伸司)