友の会講座「縄文人の知恵を学ぼう」
第4回「釣り糸を作ろう」 (2005年9月24日報告)

釣り糸作りをしました。
最終回の「縄文人の釣りに挑戦しよう」で釣りに挑戦するためには,今回しっかりとした釣り糸を作っておくことが不可欠です。
さて,うまく作ることができたでしょうか。


1.カラムシ編
 カラムシは道ばたなどで普通に見かけるイラクサ科の植物です。
カラムシの糸で織った布は古くから使われてきたようで,上布(じょうぶ・じょうふ)と呼ばれています。今でも宮古上布,能登上布,越後上布などが作り続けられています。
 カラムシの名前は「茎(から)」を「蒸(む)し」て繊維を取ったことから付いたそうです。カラムシから釣り糸として使える長い糸を作るのはたいへんな作業なので,ここでは糸ができることを体験しました。
 講師は裾分由美子さんです。田辺昭子さんにもご指導いただきました。

縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子
せん定ばさみで枝を落とす。 皮をできるだけ長くはぐ。
水につけて,あく抜き。乾燥すると繊維がもろくなる。
表面の皮をはぎ繊維を取り出す(ここでは割りばしを使用)。
よりをかけながら繊維をつないで長い糸にしていく。


2.カイコ編
 釣り糸に使う糸はカイコから作ることにしました。
ヤママユのまゆなどの天蚕(てんさん)を使いたいところですが,ここでは蚕(かいこ)のまゆを使いました。
 講師は松村真佐子さんです。材料提供は藤野睦子さんほか友の会の糸作りグループさんです。

その1
 細くてきれいな糸を作る方法です。
この糸で服を作れば,さぞすばらしいものができる(?)でしょう。


縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子
まゆ5〜6個をゆで,40度くらいに冷めたら,糸口を引き上げ,まとめて糸巻きに巻いていく。
自作のスピンドルでよりをかけて完成。

その2
 ほどほどの太さの糸を作る方法です。均一な太さの糸を作るのは技術を要します。
こちらの糸を釣り糸として使う予定です。


縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子
ふっとうしたら水を加えながら約40分,まゆが透明になるまでゆでる。
まゆの中のさなぎを取り除く まゆをほぐし両手で広げる。
縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子 縄文人の知恵を学ぼうの様子
あまり細くならないように糸状に伸ばしていく。 自作のスピンドルでよりをかける。 完成。



(報告:江田伸司)