池田遙邨 「災禍の跡」
1924(大正13)年
167.0×375.0cm 絹本着色/6曲屏風1隻
1923(大正12)年9月1日に起きた関東大震災を描いた作品です。地平線が画面下方に設定されているため、被災地が果てしなく続いている状況が想像できます。こうした光景は、中央にいる子どもの目の前にも広がっていたはずです。遙邨は、400枚にのぼる被災地のスケッチをしていますが、この作品は写生から始まってイメージの中で再構成することにより、現実をそのまま写す以上に、震災の恐ろしさ、悲惨さを訴えています。